AIを使用した胸部レントゲンの画像診断

AIを使用した胸部レントゲンの画像診断が医師よりも精度が高いことを示した論文です。

Development and Validation of a Deep Learning–Based Automated Detection Algorithm for Major Thoracic Diseases on Chest Radiographs

https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2019.1095

画像診断

目 的

本研究はAIを使用して肺悪性腫瘍、活動性結核、肺炎、気胸などの主要な胸部疾患の胸部レントゲン写真から正常と異常の結果を分類できるディープラーニングベースのアルゴリズムを開発し、パフォーマンスを検証しています。方法 この診断研究では、2016年11月1日から2017年1月31日までの間に収集された単一施設データを使用して、ディープラーニングベースのアルゴリズムを開発しました。このアルゴリズムは、2018年5月1日から7月31日までの間に収集された多施設データを使用して外部検証されました。アルゴリズムの開発には、47,917人(男性 21,556人、女性 26,361人、平均[SD] 年齢51[16] 歳) の正常所見を伴う胸部レントゲン写真54,221枚と、14,102人 (男性 8,373人、女性 5,729人、平均 [SD] 年齢 62 [15] 歳) の異常所見を伴う胸部レントゲン写真 35,613 枚が使用されました。外部検証には、5つの施設から、正常結果の胸部レントゲン写真 486枚と異常結果の胸部レントゲン写真529枚 (各参加者1枚、男性628名、女性387名、平均 [SD] 年齢53[18]歳)を使用しました。非放射線科医師、認定放射線科医、胸部放射線科医を含む15名の医師が、観察者パフォーマンス テストに参加しました。データは2018年8月に分析されました。

結 果

アルゴリズムは、画像による分類では曲線下面積の中央値(範囲)が 0.979(0.973-1.000)、病変による位置特定では 0.972(0.923-0.985)を示しました。アルゴリズムは、画像による分類(0.983 vs. 0.814-0.932、すべて P < .005)と病変による位置特定(0.985 vs. 0.781-0.907、すべて P < .001)の両方で、3つの医師グループすべてよりも大幅に高いパフォーマンスを示しました。アルゴリズムの支援により、3つの医師グループすべてにおいて、画像ごとの分類(0.814-0.932から0.904-0.958へ、すべてP < .005)と病変ごとの局在(0.781-0.907から0.873-0.938へ、すべてP <.001)の両方で有意な改善が観察されました。結論 このアルゴリズムは、胸部X線写真と主要な胸部疾患の判別において、胸部放射線科医を含む医師よりも一貫して優れた成績を収めており、臨床診療の質と効率を向上させる可能性を実証しています。